㈱恋人屋 TWICE!
原告側の検事さんが…私でも名前を知っている、とんでもないすご腕の検事さんだった。
「嘘…。」
今までの自信は、全てそぎ落とされてしまった。
「では、開廷します。」
裁判長の言葉が、何かよくないことの開始の合図のように聞こえた。
裁判の内容は、省略する。結論だけで十分だからだ。
私は…案の定というのか何と言うのか、敗訴となってしまった。
「法立さん…。」
面会で、私はため息をついた。
「ゴメン、紗姫さん…。」
「謝ることないですよ。元々、私が勘違いされるような場所にいたのが悪いんですから…。」
「それにしても…。」
法立さんが目線をそらす。
「どうしたんですか?」
「いや、何か引っかかってしまって…。」
「引っかかる?」
「そう。あの検事さん、紗姫さんも知ってますよね?」
「はい。テレビとかにも出てる郷湾健路(サトミナト・タケミチ)さんですよね?」
「あの人…本来なら、もっと大きい事件を担当するんです。」
「大きい事件?」
「例えば、政治家の汚職事件とか、連続殺人とか、そういうもっと報道されるような大事件を担当するんです。」
「それが、どうかしたんですか?」
「紗姫さんの事件って、普通の殺人事件じゃないですか。これに郷湾さんが出るなんて、普通はあり得ないことなんです。」
「それって…何かややこしいことだったりするんですか?」
少し間を開けてから、法立さんは答えた。
「恐らく…裏で大きい何かが動いてます。」
「嘘…。」
今までの自信は、全てそぎ落とされてしまった。
「では、開廷します。」
裁判長の言葉が、何かよくないことの開始の合図のように聞こえた。
裁判の内容は、省略する。結論だけで十分だからだ。
私は…案の定というのか何と言うのか、敗訴となってしまった。
「法立さん…。」
面会で、私はため息をついた。
「ゴメン、紗姫さん…。」
「謝ることないですよ。元々、私が勘違いされるような場所にいたのが悪いんですから…。」
「それにしても…。」
法立さんが目線をそらす。
「どうしたんですか?」
「いや、何か引っかかってしまって…。」
「引っかかる?」
「そう。あの検事さん、紗姫さんも知ってますよね?」
「はい。テレビとかにも出てる郷湾健路(サトミナト・タケミチ)さんですよね?」
「あの人…本来なら、もっと大きい事件を担当するんです。」
「大きい事件?」
「例えば、政治家の汚職事件とか、連続殺人とか、そういうもっと報道されるような大事件を担当するんです。」
「それが、どうかしたんですか?」
「紗姫さんの事件って、普通の殺人事件じゃないですか。これに郷湾さんが出るなんて、普通はあり得ないことなんです。」
「それって…何かややこしいことだったりするんですか?」
少し間を開けてから、法立さんは答えた。
「恐らく…裏で大きい何かが動いてます。」