㈱恋人屋 TWICE!
それからというもの、私は眠れなかった。そりゃそうだ。「裏で何かが動いてる」なんてことを言われて、しかも捕らわれの身で、ぐっすりと眠れるわけがない。

「はぁ…。」

格子のはめられた小さい窓から、私は夜空を眺めていた。

私は、これからどうなってしまうんだろう?

すご腕の弁護士に法立さんは手も足も出ず、私がやったことになり、捕らわれて何年かを過ごし、そして出た後も仕事につくことができず、菜月くんにも逃げられて、孤独に一生を終えていく…。

こんな悲観的な人生設計が、私の頭で着実に組み立てられていた。

もちろん、それは違うと声を大にして叫ぶ私もいた。だけど、裏に何かがある。その言葉が、私には重かった。

闇に包まれた恋人屋の社長の娘だから? 恨みを買っているから?

理由を色々と考えてみたけれど、それで真相が見えるはずがなかった。

…大人しく、罪を認めるしかないのか…。

そんな気持ちで迎えた翌日。

「あの…。」

私は、私の悩みを法立さんに伝えることにした。

「私…大人しく罪を認めるしかないんでしょうか…。」

すると、法立さんは力強く言った。

「それは、絶対にダメです。」
「…。」
「何があっても、自分がやってないって言うなら、認めちゃダメです。」

そして、法立さんは付け加えた。

「最後まで、戦いましょう。」
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