㈱恋人屋 TWICE!
「…だよね。安心した。」
「紗姫、何かあったのか…?」
「紗姫さんには、紗姫さんの知らない兄弟がいるって話をしたんです。それで不安になって、菜月さんを見て…安心したんだと思います。」
「全く…。」
菜月くんは私の背中をポンポンと叩いてくれた。そんなことされたら、また涙が出る。
「ほら、帰るぞ。」
「…うん。」
私は菜月くんの手を握り、家に戻った。
ガチャ、と鍵の音。ドアが開く。何も変わらない家が目に入る。
「…ただいま。」
私は独り言を言うと、菜月くんに続いて家に入った。
「そうだ、紗姫。」
晩ご飯を食べながら、菜月くんが言う。
「食べながらしゃべるの、あんまり行儀よくないよ?」
「あ、悪い。…で、ちょっと気になる噂聞いたんだけど…。」
「何?」
「恋人屋…。」
その後ろに続いた言葉は、私の手から箸を落とさせるには十分すぎた。
「倒産するかもしれないって。」
箸が落ちる軽い音が、床からイスを伝わり脳に響く。
「…え?」
「社長に対する風当たりが強くてさ。紗姫が捕まってる間に、結構マスコミが来たんだよな。この家にも。」
「…どういうこと?」
「紗姫、何かあったのか…?」
「紗姫さんには、紗姫さんの知らない兄弟がいるって話をしたんです。それで不安になって、菜月さんを見て…安心したんだと思います。」
「全く…。」
菜月くんは私の背中をポンポンと叩いてくれた。そんなことされたら、また涙が出る。
「ほら、帰るぞ。」
「…うん。」
私は菜月くんの手を握り、家に戻った。
ガチャ、と鍵の音。ドアが開く。何も変わらない家が目に入る。
「…ただいま。」
私は独り言を言うと、菜月くんに続いて家に入った。
「そうだ、紗姫。」
晩ご飯を食べながら、菜月くんが言う。
「食べながらしゃべるの、あんまり行儀よくないよ?」
「あ、悪い。…で、ちょっと気になる噂聞いたんだけど…。」
「何?」
「恋人屋…。」
その後ろに続いた言葉は、私の手から箸を落とさせるには十分すぎた。
「倒産するかもしれないって。」
箸が落ちる軽い音が、床からイスを伝わり脳に響く。
「…え?」
「社長に対する風当たりが強くてさ。紗姫が捕まってる間に、結構マスコミが来たんだよな。この家にも。」
「…どういうこと?」