㈱恋人屋 TWICE!
数日後。
休みの日だったので、私は朝のワイドショーを見ていた。支店長とはいえ、たまには休みも必要だ。
「『え~、では、続いてはこちら。連日報道されている、恋人屋倒産問題に新展開です。殺人罪で逮捕・起訴されていた新海紗姫さんが昨日釈放されたということで、我々の取材班が新海さんのご自宅の前に来ています。呼んでみましょう。竹野アナ~?』
『…はい、聞こえてますでしょうか?』
『はい、大丈夫です。』
『え~、今私は、新海さんのご自宅の前に…』」
家の前に…テレビの取材班がいる?
確か、法立さんと真守さんがここに取材班が来ないようにしてくれていたはず…。
「…って、出られないじゃん…。」
菜月くんは何事もないように仕事に向かっていたから、恐らく菜月くんはこのことを知らない。
「はぁ…。」
このままじゃ、家から身動きが取れない。菜月くんから聞いた話だが、こういう取材をしようと張り込んでいる人達というのは、いつまでも張り込むらしい。
どうしようかと部屋をグルグルと歩きまわっていた、その時だった。
誰かが、窓を叩いた。
「ん…?」
外を見ると、そこにはタキシードのようなフォーマルな格好をしたイケメンがいた。
「誰…?」
するとその人は、持っていたタブレットを窓越しに私に見せた。
「『窓を開けて』…?」
私はためらったが、何もしないよりはマシだろうと窓を開けた。すると、その人は私を見つめて言った。
「紗姫様、今すぐここからお逃げ下さい。」
「紗姫…様?」
休みの日だったので、私は朝のワイドショーを見ていた。支店長とはいえ、たまには休みも必要だ。
「『え~、では、続いてはこちら。連日報道されている、恋人屋倒産問題に新展開です。殺人罪で逮捕・起訴されていた新海紗姫さんが昨日釈放されたということで、我々の取材班が新海さんのご自宅の前に来ています。呼んでみましょう。竹野アナ~?』
『…はい、聞こえてますでしょうか?』
『はい、大丈夫です。』
『え~、今私は、新海さんのご自宅の前に…』」
家の前に…テレビの取材班がいる?
確か、法立さんと真守さんがここに取材班が来ないようにしてくれていたはず…。
「…って、出られないじゃん…。」
菜月くんは何事もないように仕事に向かっていたから、恐らく菜月くんはこのことを知らない。
「はぁ…。」
このままじゃ、家から身動きが取れない。菜月くんから聞いた話だが、こういう取材をしようと張り込んでいる人達というのは、いつまでも張り込むらしい。
どうしようかと部屋をグルグルと歩きまわっていた、その時だった。
誰かが、窓を叩いた。
「ん…?」
外を見ると、そこにはタキシードのようなフォーマルな格好をしたイケメンがいた。
「誰…?」
するとその人は、持っていたタブレットを窓越しに私に見せた。
「『窓を開けて』…?」
私はためらったが、何もしないよりはマシだろうと窓を開けた。すると、その人は私を見つめて言った。
「紗姫様、今すぐここからお逃げ下さい。」
「紗姫…様?」