㈱恋人屋 TWICE!
「やっぱりね…。」

写真を撮らせて、と紘輔さんに言われたのだが、やっぱりここは病院だ。私はよく分からない装置で、体をスキャンされていた。

「何かあったんですか…?」

病院に来ているのに目的が分からない。変な感じだ。

「…落ち着いて聞いて下さい。」

もともと落ちついてはいるんだけど、と心の中で突っ込む。

「調べてみたところ…紗姫さんは、妊娠していることが分かりました。」
「…ふぇ?」

唐突な時に出る、私の間抜けな声。

「ちょっ、ちょっと待って下さい。えっ…私、妊娠してるんですか…?」
「はい。さっき見たところ…腹部に赤ちゃんだと思われるものが映っていました。」
「…。」

紘輔さんの話は、まるで宇宙のことのような話だった。それくらい、私は状況が分かっていなかった。

「…そう、ですか…。」
「まぁ、大丈夫ですよ。紗姫さん、結婚してるんですよね?」
「えっ、何で…?」
「左の薬指、指輪の跡がついてますよ。それに、妊娠してるのに結婚してない人の方が珍しいですからね。」

そう言うと、紘輔さんは私の頭を優しく撫でてくれた。

「おめでとうございます、紗姫さん。」

私のお腹に、新しい命が…。よくわからないけど、嬉しかった。

「さてと、じゃあまだ時間もありますし、どっか行きましょう。」
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