㈱恋人屋 TWICE!
その時だった。

「リリリリリ…。」

私のケータイが鳴った。

「誰…?」

今しゃべったら泣いてしまいそうだから、電話なんてかけてこないでよ…と思いつつ、ケータイを手に取る。すると…。

「あっ…!」

思わず声を上げてしまった。

電話は…菜月くんのケータイからだった。

「お義父さん!」
「ん?」
「電話、かかってきました!」
「本当か!? …って、早く出ないと!」
「あ、はい!」

通話ボタンを押し、ケータイを耳に当てる。聞こえてくるのは、電話特有のノイズと、そして…。

「…紗姫ちゃん?」

菜月くんではなく、京子先輩の声だった。

「あれ…京子先輩?」
「紗姫ちゃん、今どこ?」
「今…菜月くんの実家なんですけど…。」
「…ってことは、今紗姫ちゃんのお義父さんとお義母さんもいるのよね?」
「はい…。」
「すぐに海宿総合医療センターに来て! 一緒に!」
「…何かあったんですか?」
「説明は後でするから、早く!」
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