㈱恋人屋 TWICE!
「じゃあ、ちょっと外出とくから。」
「えっ、ちょっと…。」
お義父さんはそれだけ言うと、病室の外へと出てしまった。
「…。」
菜月くんと目を合わせるのがやっぱり怖くて、ずっと病室の入り口の方ばかりを見ていた。
「…紗姫。」
「何…?」
首を横に向けたまま答える。
「何いつまでもあっち見てんだ?」
「別に。」
「…怒ってんのか?」
「別に。」
「はぁ…。」
菜月くんのため息が淡く聞こえる。
「…菜月くんこそ、怒ってない?」
「ん?」
「私のせいで、怪我して…。」
涙を見られたくなくて、私は菜月くんに背を向けてイスに座った。
「…そんなことで怒ると思ってんのか、紗姫?」
「えっ…?」
「俺が襲われたのは、紗姫のせいじゃない。周りに気を使ってなかった、俺のせいだ。」
「…何で?」
「ん?」
「…何でそんなに優しいの…?」
声が震える。
「泣くなって、紗姫。こっち、向けよ。」
「えっ、ちょっと…。」
お義父さんはそれだけ言うと、病室の外へと出てしまった。
「…。」
菜月くんと目を合わせるのがやっぱり怖くて、ずっと病室の入り口の方ばかりを見ていた。
「…紗姫。」
「何…?」
首を横に向けたまま答える。
「何いつまでもあっち見てんだ?」
「別に。」
「…怒ってんのか?」
「別に。」
「はぁ…。」
菜月くんのため息が淡く聞こえる。
「…菜月くんこそ、怒ってない?」
「ん?」
「私のせいで、怪我して…。」
涙を見られたくなくて、私は菜月くんに背を向けてイスに座った。
「…そんなことで怒ると思ってんのか、紗姫?」
「えっ…?」
「俺が襲われたのは、紗姫のせいじゃない。周りに気を使ってなかった、俺のせいだ。」
「…何で?」
「ん?」
「…何でそんなに優しいの…?」
声が震える。
「泣くなって、紗姫。こっち、向けよ。」