㈱恋人屋 TWICE!
ファイル18・結婚詐欺師・田松明也
恋人屋が…倒産する?
「何だよ、これ…。」
「分かんない…。」
菜月くんの手を握る。
「今日午前九時ごろ。
『え~、この度株式会社恋人屋は、本年いっぱいで全サービスを終了し、実質的な倒産状態とさせていただくことになりました』
恋人屋社長、鯉ヶ島匠氏から発表された突然の『倒産宣言』。資金難からのものだというが、謎は多い。当番組コメンテーター、ジャーナリストの田松明也(タマツ・アキヤ)氏がこの問題の核心に迫ります!」
コマーシャルが流れる。
「…見た、今の?」
「…ああ…。」
「今年いっぱいで…なくなるってことだよね?」
「みたいだな…。」
スマホを取り出し、ネットに書いてある情報を見てみる。「恋人屋 倒産」で検索すると、とんでもない量の情報が画面にあふれ出た。
「…私、ちょっと行ってくる!」
「どこ行くんだよ?」
「この田松さんっていう人に、会いに行く! 会って、情報をゲットしてくるから!」
私はそれだけ言うと、菜月くんの返事も聞かずに病室を出た。
「紗姫ちゃん? どこに行くの?」
「すみません、話は後でお願いします!」
猛ダッシュでテレビ局へと向かう。あの番組は、あと一時間ほどで終わる。道路は空いているが、タクシーを待っている時間がいらだたしい。私は全力で、道路を走り続けた。
「何だよ、これ…。」
「分かんない…。」
菜月くんの手を握る。
「今日午前九時ごろ。
『え~、この度株式会社恋人屋は、本年いっぱいで全サービスを終了し、実質的な倒産状態とさせていただくことになりました』
恋人屋社長、鯉ヶ島匠氏から発表された突然の『倒産宣言』。資金難からのものだというが、謎は多い。当番組コメンテーター、ジャーナリストの田松明也(タマツ・アキヤ)氏がこの問題の核心に迫ります!」
コマーシャルが流れる。
「…見た、今の?」
「…ああ…。」
「今年いっぱいで…なくなるってことだよね?」
「みたいだな…。」
スマホを取り出し、ネットに書いてある情報を見てみる。「恋人屋 倒産」で検索すると、とんでもない量の情報が画面にあふれ出た。
「…私、ちょっと行ってくる!」
「どこ行くんだよ?」
「この田松さんっていう人に、会いに行く! 会って、情報をゲットしてくるから!」
私はそれだけ言うと、菜月くんの返事も聞かずに病室を出た。
「紗姫ちゃん? どこに行くの?」
「すみません、話は後でお願いします!」
猛ダッシュでテレビ局へと向かう。あの番組は、あと一時間ほどで終わる。道路は空いているが、タクシーを待っている時間がいらだたしい。私は全力で、道路を走り続けた。