㈱恋人屋 TWICE!
「…ぷしゅぅぅぅ…。」

口からガスが漏れたような音を発しながら、私は満身創痍でジェットコースターを降りた。

「い、息まで変になってますよ?」
「…ちょっと休ませて下さい…。」

ベンチに座り、目を閉じる。

「じゃあ、僕も隣に座っておきますね。」

明也さんがベンチに座り、私の体に触れる。温かかった。

「…すみません、紗姫さん…。」

すみません…? 何のこと…?

だが、特にこれといった変化はなかった。だから私は、睡魔に身を任せたのだった。

…どれくらい、眠っていただろうか。

「ん…。」

気がつくと、私は家にいた。

「あれ…?」

確か、遊園地のベンチで寝ていたはず…。

時計を見る。五時十二分。窓から漏れる光はほんのり赤かった。

「…ん?」

背中に違和感を感じ、腕を後ろに回す。

「…取れない…!」

体の硬い私は、背中にある何かに触れることはできなかった。

「…そうだ。」

私はもう一枚服をはおると、菜月くんのいる病院に向かった。
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