キミ想イ
───……。

─────………。


「はぁ~やっと終わったぁぁ…」

4時間目が終わり、やっとの事で帰れる。

早く帰って準備しよう…。

「弥好奈待ってよ~」

後ろで橙は靴を履くのに困難している。

ちなみにその靴は紐が多く、絡まりやすそうな……

「そんなの履いてくるから……」

「すぐに行けるじゃん! 早く行きたいのさ!」

きりっとした顔で言われる。

(橙…、向こう行くのにわざわざそれ履いてきたのか……)

普通にスニーカー履いてきなさいよ。

「早く。帰るよ」

「待ってよ〜〜! 時間的には問題ないんだからさ〜」

「でも早く行かなきゃ」

彼に会える時間が短くなっちゃうじゃん?

なんて考えていると橙が私の肩を掴んだ。

「はぁ、やっと追いついた」

「ん、帰るよ」

私はズカズカと橙の前を歩く。

橙との距離がまたも開く。

「弥好奈早い早い!!!」

橙はマイペースだから距離が開くばかりだ。

「つか弥好奈どうしたのさー!!! 何かあるのー!?」

「早く行きたい」

「何でぇぇ!?」

「だって…」

“彼に会いたいから”なんて言えるわけがない。

「弥好奈変なの〜…。最近ニヤニヤしてるしさ〜。あ、もしかして」

「え?」

やばい? バレる?






「変な病気にかかった?」







……。

「……」

分かってなかった良かった……。
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