【短編】 お見合い相手は高校生?!


「翔吾さん、ちょっと降りて来てくれる?」


朝食を済ませ、自分の部屋で大学へ行く準備をいていると母がドアの向こうから声を掛けてきた。


「何?今日は早く行かないといけないんだけど」


ドアを開けて言うも、母の姿はもうなかった。


「急いでるのに・・・」


俺は、仕方なくリビングに降りた。


「あら、降りてきてくれたのね」


と呑気な口調でキッチンから顔をのぞかせた。


そっちが来いっていいったんだろ。


「何?急いでるんだけど?」


俺は、ソファに腰掛けながら、不機嫌さが伝わるようにオーバーに言った。


「あら、ごめんなさいね」


母は、ピンクのフリフリのエプロンを揺らしながら、リビングにやってきた。


その手には、何かを持っていた。


そして、俺は母の妙にニヤニヤしている表情を見て、本能的に身の危険を感じた。



「翔吾さん、これ見て」


母は、俺の前に一枚の写真と紙を出した。写真には、振袖を来た女の子が写っていた。


目がくりっとして、笑顔がかわいらしかった。


でも俺の好みじゃない。


「こちら、翔吾さんのお見合い相手ね」


へ〜お見合い相手ね・・・って。


「はぁ?俺、聞いてないし!」


「今、言ったじゃない」


「お母さん、心配なのよ。翔吾さん、彼女とか連れてこないから、男の子の方が好きなんじゃないかって」


眉をひそめて言うは母、本気で心配しているらしい。


「はぁ?」


意味わからんし。


「とにかく、明日ですからね」


「明日!?」


「これは、遥さんの釣書だから見ておいてねっ」


最後に意味不明なウィンクをして、母はソファから立ち上がり、キッチンの方へ向かった。


渡されても・・・。



俺は、ぼんやりと今渡された物をに目をやった。


綾園 遥・・・ 17歳・・・清林女学院高等部2年かぁ。


興味ないし・・・。だいたい17歳って・・・。俺、年上としか付き合ったことないし。


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