【短編】 お見合い相手は高校生?!
「食べた?」
「は、はい」
彼女がサンドイッチを食べ終わったようだったので、声を掛けた。
まだ俺に馴れていないようで、返事をするのもたどたどしい。
「行こうか?」
「はい」
俺らはファミレスを出て、再び車に乗った。
「で、どこに行きたい?付き合ってやるよ」
車を出す前に聞くと、彼女は言いにくそうに口を開いた。
「遊園地・・・」
彼女の口から出た言葉は意外だったが、ここで笑ったりすると、彼女を傷つけてしまいそうだったので、受け止めることにした。
「オッケー」
遊園地にも行ったことないのか?このお嬢様は。
「あっ、でも、よかったのですか?どこかへお出かけされるところだったのでは?」
今更だったが、彼女は聞いてきた。
「いや、別に行くとこないからドライブでもしようと思ってただけだし」
大学へ行くことは、今の今まで忘れていた。
今日は、彼女に付き合うことにしたから、調べ物はまた別の日にすることにした。
「そうですか・・・」
「それよりさ・・・」
俺は、彼女の服装が気になった。
こんな、いかにもお嬢様スタイルで遊園地には行けないよな。
「もうちょっと動きやすい服にしようか」
「えっ?」
俺の言葉に彼女は目を見開いて驚いていた。
「好きなブランドじゃないかもしれないけど、俺がいつも服を買う店でもいい?」
「は、はい」
チラッと俺の服装を確認すると、遠慮がちに返事した。
別におかしな格好をしてないだろ?
ネイビーのポロシャツにベージュのパンツを合わせているので、奇抜な服装をさせられるとは思わないだろう。