【短編】 お見合い相手は高校生?!


「食べた?」

「は、はい」


彼女がサンドイッチを食べ終わったようだったので、声を掛けた。

まだ俺に馴れていないようで、返事をするのもたどたどしい。


「行こうか?」

「はい」


俺らはファミレスを出て、再び車に乗った。


「で、どこに行きたい?付き合ってやるよ」


車を出す前に聞くと、彼女は言いにくそうに口を開いた。


「遊園地・・・」


彼女の口から出た言葉は意外だったが、ここで笑ったりすると、彼女を傷つけてしまいそうだったので、受け止めることにした。


「オッケー」


遊園地にも行ったことないのか?このお嬢様は。


「あっ、でも、よかったのですか?どこかへお出かけされるところだったのでは?」


今更だったが、彼女は聞いてきた。


「いや、別に行くとこないからドライブでもしようと思ってただけだし」


大学へ行くことは、今の今まで忘れていた。

今日は、彼女に付き合うことにしたから、調べ物はまた別の日にすることにした。


「そうですか・・・」

「それよりさ・・・」

俺は、彼女の服装が気になった。

こんな、いかにもお嬢様スタイルで遊園地には行けないよな。


「もうちょっと動きやすい服にしようか」

「えっ?」


俺の言葉に彼女は目を見開いて驚いていた。


「好きなブランドじゃないかもしれないけど、俺がいつも服を買う店でもいい?」


「は、はい」


チラッと俺の服装を確認すると、遠慮がちに返事した。


別におかしな格好をしてないだろ?


ネイビーのポロシャツにベージュのパンツを合わせているので、奇抜な服装をさせられるとは思わないだろう。


< 9 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop