俺様上司とツンデレ部下
スッ。
私の頬に部長の手が伸びてくる。
だんだん近づいて来る顔に、心臓の音はもう速いのなんので。
「ぶ、部長…。」
薄く目を閉じようとした時だった。
ピタリと部長の手が止まった。
「部長?」
「…なよ…。」
「え?」
「部長って呼ぶなよ。」
「なっ…。」
「伸也って呼べ。」
「ちょっ…。」
「早く。」
「しっ伸也…さん…っ‼︎」
「ん、合格。」
チュッ。
そのまま唇を塞がれる。
そのキスは甘くて、とろけそうで、頭の奥が痺れる感じ。
「ん…伸也…さん…。」
「ごめん、止まんない。」
そのまま深く口付けられて、頭はもう真っ白。
ふぁ…。
離れると、呼吸が乱れて、苦しい。
「恵、好きだ。」
甘く、耳元で囁いたのは、腹黒くて、怖くて、優しい黒王子でした。