俺様上司とツンデレ部下
走って走って走って。
たどり着いたのは、どこかもわからない住宅街。
気づいた時にはもうあたりは暗くて、住宅街の明かりがより鮮明に見える。
「ここどこだろう…。」
知らない土地であんなに走ったから、まさかの迷子。
伸也さん、きっと今頃怒ってるだろうな…。
帰るの怖いや。
そんなのんきなことを考えるようにはしてるけど、心は不安の塊。
ちゃんと帰れるのだろうか?
伸也さんに嫌われちゃったかな?
次から次へと不安の波が押し寄せて来て、心の中は大忙し。
目尻に涙が溜まって来て、泣いちゃだめだと、必死に拭い取る。
「伸也さん…。」