俺様上司とツンデレ部下
2人っきり
「災難だったねー、恵。」
「いつものことだけどね。もう慣れたよ。」
部長のお叱りから解放され戻ってくると、隣の机の同期が話しかけてくる。
これもいつものこと。
奴らは私が怒られるのを、高みの見物しているわけで、私を助ける気など微塵もないのは知っている。
まぁ、仕事だし、友情とかでかばったって、結局同じだから、そのまま見守ってくれるのがありがたいんだけども。
「あんの、クソ部長…いつか痛い目見ればいいのに…。」
「恵また怒られるよー。」
「だってさ、あんな冷血に怒ること無くない?仕事もベテランになって来たし、もう怒鳴られることはないけどさ。あいつ、目が怖いんだよね。」
「えぇー⁉︎あれがいいんじゃん!斎藤部長、超イケメンだし!」
「顔で判断しないから、私。」
「なんか冷めてるよね、恵って。」
「そーかな?少なくとも、部長はない。」
「あっ…恵…。」
「大体さ、私だけじゃん、あんなに厳しいの!他の子達はもう少し優しいのにさ、なんで私だけ…。」
「いい度胸だな、美空。」
「え?」