【完結】無口な王子様
今日は、圭が誘ってくれた、ケーキバイキングに来てる。
2月に入って、一段と寒くなったけど、私は全く寒くなかった。
だって、大好きな圭と一緒だから。
でもやっぱり、圭とケーキが繋がらなくて、申し訳ないような気がしている・・・・・。
周りは若い女の子同士か
子供連れか
団体のおばちゃんばかり。
その中に圭・・・。
完璧、浮いてるし!
でも本人は気にしていない様子。
しかも、今日の圭はいつもと違うような気がする。
いや、気のせいではなかった。
「俺、ケーキバイキング来たかったんよ〜」
えーっ?
何そのテンションの高さは!!
しかも目が輝いてるし・・・。
隆の言葉使いが若干、おネエ系に聞こえるのは気のせい?
私は驚きと共に、圭の意外な面が見れて嬉しかった。
「木下とか誘っても、来るわけないし、でも一人で来てもなぁ?」
なんかめっちゃしゃべってるし。
お兄さん、キャラ変わってますよ。
「ひ、ひとりやと。ち、ちょっと、変な人に見られるよね」
変化しすぎている圭に私はついて行けずに、吃ってしまう。
私たちがケーキを選んでいると、後ろからひそひそ声が聞こえる。
「あの子、かっこいいよ。声かける?」
「あかんよ。隣に彼女いるよ」
「ホンマや〜」
彼女・・・。
響きは悪くない。
本人はケーキに夢中で聞こえてないみたい。
モテるんよね、この男。
背は高いし、スマートだけどバスケをしていただけあって、引き締まっている体に、きれいな顔が乗っかってる。
そりゃ、モテるわ。