【完結】無口な王子様
「奈緒、梶原くんとはどうなの?告白とかされたの?」
いつものように、理香と沙知は興味津々といった様子で聞いてくる。
その顔は、ネタを持って帰りたい芸能レポーターのようだ。
「賭けに出たんやけどね・・・・」
「賭け??」
理香と沙知は声を揃える。
私はこの前のデートの時にやった賭けのことを話した。
圭のテンションが高かったことは秘密にして・・・・・。
「奈緒やるね〜。ってか、『告白された?』って聞いてるのに、奈緒がそんなことしてるとは」
沙知は笑いながら言う。
「奈緒!甘いよ!そう、ケーキのように甘い!」
理香はわけのわからない親父ギャグを言い、力説をし始めた。
「ああいう男には、そんな曖昧な言い方じゃあかんよ!はっきり聞かないと!!」
はっきり聞かないとって言われても・・・・。
「どうしたら・・・・」
私は、少し考えた。圭のあの笑顔を誰にも取られたくない。もっとたくさん圭のことを知りたい。
「私、告白する!」
勝算なんてないけど、私は二人に宣言した。