【完結】無口な王子様
次の日学校で、木下が橋本さんのことを聞いて来た。
「圭、橋本さんとはどうなんや?」
木下が興味津々で聞いてくる。
隣にいる隆は何も聞かない。
奴は、俺の過去を知っているから、聞かないんだ。
「いや、別に・・・」
「別にって・・・あの子圭と違ってよくしゃべるみたいやしな・・・合わなかったか?」
「・・・・・・」
そんな言い方するなよ・・・・。
でも言えなかった。
「まぁ、また違う子紹介してやるから」
「もう、いいよ」
今は、彼女以外考えられへん。
彼女と話をしたい。
彼女のことを知りたい。
ふと、隣にいる隆を見ると、ニコッと笑って、自分の席に戻った。
『がんばれよ』と言ってくれているかのように。