【完結】無口な王子様


次の日学校で、木下が橋本さんのことを聞いて来た。


「圭、橋本さんとはどうなんや?」


木下が興味津々で聞いてくる。


隣にいる隆は何も聞かない。

奴は、俺の過去を知っているから、聞かないんだ。


「いや、別に・・・」


「別にって・・・あの子圭と違ってよくしゃべるみたいやしな・・・合わなかったか?」


「・・・・・・」


そんな言い方するなよ・・・・。


でも言えなかった。


「まぁ、また違う子紹介してやるから」


「もう、いいよ」


今は、彼女以外考えられへん。


彼女と話をしたい。


彼女のことを知りたい。


ふと、隣にいる隆を見ると、ニコッと笑って、自分の席に戻った。


『がんばれよ』と言ってくれているかのように。


< 16 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop