【完結】無口な王子様



*******

俺は真っ暗な場所にいる。


周りは壁で囲まれているようだ。


そんなに広くはない。


とにかく寒い。



「圭!この中にいるの?」


聞こえてくるのは・・・・・聞き覚えがある。


奈緒の声だ・・・・・。


「圭!今からね、この壁を崩すから、離れておいてね。」


「崩す?」


俺は全く意味がわからなかった。


その瞬間


『ドン!』


という音と共に壁の一部に穴が開いた。


直径15cmくらいの穴。


穴から抜けた塊が俺の足元に落ちている。


「圭、大丈夫??」


穴から覗いてくれたのは・・・・奈緒だった。


すごく安心した顔をしている奈緒の顔。



「圭、それチョコだから、お腹空いたら食べてね。じゃあ、バイバイ」


奈緒は言うだけ言って、去った。


「ち、ちょっと、奈緒、助けてくれへんの?」


俺は、丸いチョコと共に取り残された。



「奈緒・・・・お前は助けてくれると思ったのに・・・・」






・・・・・・夢か。


なんて嫌な夢なんだ。


はぁ・・・・・。



朝から大きなため息をついた。























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