【完結】無口な王子様
奈緒の涙
圭に告白すると決めた私は、早速行動に移すことにした。
「沙知、お願い!」
「何?」
「バレンタインデーのチョコ作るの手伝って!」
そう、私はバレンタインデーに告白することにした。
「うん、いいよ。うちに来る?」
沙知は、嫌な顔ひとつせず、私のお願いを聞いてくれた。
「ありがとう!」
沙知は、料理が得意。
たまにクッキーとか、ケーキとかも焼いて持ってきてくれる。
それがお店で買うみたいにおいしい。
持つべきものは、料理上手な友達やわ。
「沙知は、笠野くんにあげないの?」
「うん。あれから会ってないし」
あれからとは理香が沙知と笠野くんとの距離が縮まらないから、無理に会わせようと、騙した日のことだ。
確か、3学期が始まってすぐくらい。
それから会ってないんやぁ。
笠野くんは、きっと沙知のことが好きやのになぁ。
笠野くんが少しかわいそうに思えた。って、人のことより、自分のこと!!
私は圭にどんなチョコを作ろうかと、本屋でお菓子の本を立ち読みした。
トリュフとかかな・・・・?
クッキー?
それとも、溶かして固めるだけ?
いや、そんなんじゃあかん!
私は何冊もペラペラとめくっていた。
すると、あるページで目が止まった。
・・・・チョコケーキ。
これだ!!