【完結】無口な王子様
「これでよし!」
私は家に帰って、ケーキをラッピングしようと机に向かっている。
赤いリボンをつけて、完成。
ケーキは、もちろん切らずに渡すつもり。
あとは・・・どうやって渡すか・・・。
明日の学校帰りしかないよね。
圭の学校で待ち伏せするか、待ち合わせするか・・・・。
確実に会わないといけないから、やっぱりメールしよう。
私は姿勢を正して、携帯と睨めっこをする。
う〜ん・・・・なんて送ろう。
【明日の放課後、時間あるかな?】
数十分考えてでやっとできたメールが、これとは私もことごとく文才がない。
メールするのも久しぶりやのに一言入れたらよかった・・・。
とりあえず、圭からの返信を待つ。
数分後、待ちに待ったメールが来た。
【あるよ。】
相変わらずの言葉足らずのメールに落ち着きを取り戻した。
【じゃあ、放課後、駅裏の公園で待ってます。】
【了解。】
そっけないけど、気にならない。
でもやっぱり壁が感じられる・・・。
ああ、どうしよう・・・不安になってきた。
泣きそうなくらい、心細いし。