【完結】無口な王子様
結局、昨日の夜は、あんまり眠れなかった。
「奈緒!どうしたん?あんたクマ出来てるで」
フラフラの私を見ながら、沙知が声を掛けてくれた。
「ん?」
「もしかして、寝てない?」
「うん・・・・怖くて寝れなかった」
そういって私は夢の中へ・・・・。
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「はぁぁぁ」
目が冷覚めると、気分はすっきりしていた。
「奈緒、よくあんなうるさい中で寝れたね」
私はどうやら1限目の自習時間中、ずっと寝ていたらしい。
睡魔からは開放されたけど、放課後が近づくにつれて、不安は増していき、落ち着きがなくなっていった。
「橋本!なんだこれ?」
6限目の数学の授業中、高橋先生に声を掛けられて、我にかえった。
私のノートには、シャーペンでぐるぐると円を書かれていた。
力強く書いていたのか、一部穴が開いている。
もちろん書いたのは、私。
数学の授業なんて全く頭に入ってなかった。
「ちゃんと、ノートとれよ」
「すみません」
私はノートをとる振りをしたが、実際集中できるわけもなかった。
授業が終わり、とうとう決戦の時がやってきた。