【完結】無口な王子様
中学2年のある日、圭はある女の子に呼び出され、告白された。
圭もその女の子が好きだったらしく、付き合った。
その時の圭はものすごく嬉しそうで、俺が見てても幸せそうだった。
しかし、付き合ってから3日後・・・。
「圭、どうした?」
黒い影を背負って教室に入ってきた圭に、俺は近づき聞いた。
「隆・・・フラれた」
その声は、近くにいる俺にも聞き取りにくいくらい小さな声だった。
「フラれたって、お前ら3日しか経ってないやん!」
圭の顔を覗き込んだが、俺と目を合わせようともしない。
どこか遠くを見ているようにも見える。
「・・・」
圭は、俯いて黙ってしまった。
「俺でよかったら、聞くで」
俺が、圭を受け止めてやろうと思った。