【完結】無口な王子様
圭の決断
手には、大好きな人からもらったバレンタインデーのチョコ。
心には、大好きな人からの『好き』という一言。
でも見えるのは、大好きな人の遠ざかる後ろ姿。
怖かった・・・またフラれるのが怖かった。
『俺も好き』って言えなかった。
「もう少し返事まで時間をくれるかな?」
と言いたかったのに言わせてもらえなかった。
俺はどれくらい公園に立ち尽くしていたのだろうか・・・。
両手をギュッと握りしめ、目をギュッと閉じて、涙が出るのを我慢した。
目を開けて、ちらちらと雪が降る空を睨み、家への道を急いだ。