【完結】無口な王子様


次の日学校で理香が私と沙知に、昨日の事を聞かれた。


いつもの私なら、

『私、梶原くんのこと好きになってしまった〜』


なんて言うやろうけど、なぜか今日は言えないでいた。


その様子が落ち込んでるように見えたのか理香が、

「梶原くん、無口そうやもんね〜。おしゃべりな奈緒にはもの足りないよね。ちょっとくらいしゃべってくれないとね」


と言った。


そんなことない・・・。もの足りないなんて思ってない。また会いたいと思ったもん。


「そんなことないよ・・・」


私は俯いて言った。


二人が驚いた顔をしたのは言うまでもない。


「何?あんた、梶原くんのこと好きなの?」


理香が鋭く聞く。


「うん」


私は静かに頷いた。


「そっかぁ、じゃあ、さっき言ったことごめんね」


理香は私に謝ってくれた。


初めて会った梶原くんのことを悪く言われるのがこんなに嫌なんて・・・・・。


私、相当本気やわ。


あれから考えるのは梶原くんのことばかり。


あぁ、会いたいなぁ。


メールもしたいけど、何て送ったらいいか、思い浮かばない。


いつもの私なら、好きな人がいたら、たわいのない内容でもメールするのに、今はできない。いつもの自分とは別人のようで戸惑っている。


そんなことを毎日考えていたある日、理香がトリプルデートを計画してくれた。


これは、距離を縮めるチャンス!



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