破滅の魔導師
こつこつこつこつ
足音が近づいてくる。
多分めんどくさくなるねー。
わたしの目の前で止まった足音。
「おい。」
「…」
「おい。お前ユラか」
「…」
「おい!」
グイッ
足音の正体がわたしの髪を引っ張った。
「いった!」
はげちゃうじゃないか!
「おまえ、起きてんなら、返事しろや!」
「あんだと!?こら!お前に睡眠妨害されてんのはこっちだぞ。ふざけたことほざいてんじゃねーよ。大体知らない人とは喋らない主義なの。お前は、お母さんに習わなかったんですかぁ、知らない人とお喋りしたらいけないって習わなかったんですかぁー。あら習わなかったんでちゅねー。可哀想に。だからこんなに、馬鹿なんだね。ふつう人様を呼ぶんだったら敬語だろ。誰にはなしかけてんのか、考えてかしゃべれや。このタコが。」
あーすっきりー。
言いたいこと言うっていいよねぇー。