破滅の魔導師
イライラがおさまらないまま帰路を歩く。
少しして、目の前のマンションの階段をあがる。
極普通のマンション。
別に入られてダメなことなんてなに一つない。
あ、まちがえた。
一つはあるね
だけど面倒くさいことが大嫌いなんだよ。
わたしは。
きっと…いや確実にあいつらは、教えたら毎日のようにくる。
そんなん、わたしの自由時間が削られるだけじゃん。
そんなのいやだし。
今はやりのキャラクターのストラップがついた鍵を鍵穴にさしこんで、鍵をあける。
「ただいまー」
誰もいない。
ただただ静かな世界が広がっているわたしの部屋。
みなれた景色をもう一度よくみてみる。
「はぁ。しかもわたしがこんな趣味じゃぁ笑われるのがオチだろ」
苦笑いをして、鍵を靴箱の上におく