エリート同期のプロポーズ!?
「それとも、李花ちゃん……」


絢斗君がまっすぐにあたしを見ているのが分かる。


「誰か、好きな人でも、いるの?」


一瞬、世界から音が無くなったかと思った。


央があたしに『30歳の誕生日プレゼント』をくれたシーンが甦る。


ここから見える夜景とは比べ物にならないけど、それでも小高い場所から見た景色。


頬を撫でる風。


揺れる木々の葉っぱ。


何だか凄く心が暖かくて。


央の優しさ(気まぐれ?)のお陰で、どん底から救われたあの誕生日の約束。


…………あたし、央のこと…………??


いや、ダメ。


もしそうだとしても、もう央にはマドンナがいる。


ずっとずっと好きだったマドンナという彼女が。


あたしが今更央のこと好きだなんて……あり得ない。
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