エリート同期のプロポーズ!?
「お腹、空いてる?」


「あ……病み上がりだし、大丈夫」


病み上がり、という表現が適当なのかは分からない。


今日は、病気で仕事を休んだわけだし。


どちらかと言うと、まだ病み中、って気もする。


実際まだ食欲はわかないし……。


「そっか、んじゃ……」


それきり、どこへ行くとも伝えず、運転し続ける絢斗君。


……な、何を話したらいい……?



「車、凄いね」


小学生じゃないんだから……何がどう凄いんだか、言われた方も困るよね。


でもあたしも詳しくないから『凄いね』が精一杯。


つまらない女ですみません。


「んー、そんなことないよ、買ったの親父だしさ」


……まさかの実家お金持ちパターン?


「いや、それどっちにしろ凄いよ」


「なんで?」


「あたし、父親に買ってもらったやつで一番大きい高価な物って……多分ランドセル」


「…………!!!」


絢斗君が息を飲むのがわかる。


次の瞬間。


「だはははは……ちょっともー。やめろよー」


何故か大爆笑している絢斗君。


「そんな面白いこと言ってないし……」
< 222 / 376 >

この作品をシェア

pagetop