エリート同期のプロポーズ!?
あたしたちの車が、見慣れた景色の中にいることに気づいて。


「あ、駅前で降ろしてくれればいいよ」


「駅からアパートまで、ってのが一番危ないだろうよ」


「……?痴漢とか??」


「そう、あと野犬とか」


「やけ…………!!!!」


思わず、ぶふっと吹いてしまう。


いつ?!戦後?!


昭和のカホリ……。


産まれてこのかた、野犬なんて見たことないよ……。


「絢斗君、野犬なんて見たことあるの?」


「ないけど……」


だよね?


「いいから、送るよ!」


笑われたのが不本意だったのか、少し怒ったように言う。


ちょっと、かわいいかも。


「じゃあね、そこの、道をまーっすぐ……」


笑ったことの罪滅ぼしも含めて、素直に道案内をする。
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