エリート同期のプロポーズ!?
車は、スムーズにあたしのアパートの目の前について。



「じゃあ、ここで。どうもありがとう」


「連れ回してごめん。体調、どう?」


「すっかりいいよ。明日は仕事に行けそう」


「よかったぁ!」



……んっ?


ドアに手をかけて今にも降りようとしていたあたしの身体がふんわりと何かに包まれる。



自然に身体の向きが絢斗君の方に向けられ、それは全然強引じゃなくて。


昨日とはまるで違う。


優しく、優しく抱き締められてる。


「……これからは、ちゃんと、大事にする」


耳元でささやかれる言葉には、どうやら昨日の乱暴な振る舞いの謝罪も含まれているらしく。


あたしにはそれがしっかり伝わった。


そして、甘くて、くすぐったい。
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