エリート同期のプロポーズ!?
*10*

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「それではー、摩耶の嫁入りと、李花の嫁入りを祝してー、乾杯っっっ!」

志帆の乾杯の音頭と、ぶつかり合うジョッキの音が8月の夜空に吸い込まれていく。


ここは、前に志帆と二人できたビアガーデン。



「いやいやいや、あたし結婚するなんて決まってないし……それを言うなら志帆のが絶対に早いし!」


「なーに言ってんのよ、付き合う前からあんなに大きい指輪もらっておいて」



あたしが、絢斗君とちゃんと『付き合う』となって、もう1ヶ月が経ってしまった。



あたし達の会社は主に文房具を取り扱っていて、忙しさには波があるのだけど、この時期は割りと忙しい。


9月に、来年度に向けた新商品の展示会とか諸々ある関係なんだけど。


同期の独身組で中々集まれず、今日になってやっと皆が揃いそうな……。


だけど、央の姿はまだない。
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