エリート同期のプロポーズ!?
「ねぇ……絢斗君」


あたしの不安定さを見透かされるのが怖くて。


つい……


「ん?」


隣から、優しい雰囲気の絢斗君の声。


「絢斗君ってさ、あたしのこと、好き?」


……聞いてしまった。



さっき、思ったんだよね。


優しい時と、怖い時と、何を考えているのか分からない時と……



出てくる感情は違っても、あたしのような迷いを感じたの。


絢斗君も、どこか不安定というか……


あたしのこと、ちゃんと見ていない気がする。


プロポーズに夢を抱きすぎているのかもしれないけど、やっぱりおかしい。


プロポーズっていうのは、大好きで大好きで、たまらない人にするんじゃないの?


一大決心をして。


一生を共にしたいと思って。


……それこそ、前に聞いた時に、央が言っていたような。
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