エリート同期のプロポーズ!?
「自分の運命を恨んで、親を恨んで、世間を恨んで。

こんな奴ら、いつか見返してやる……って腹の中で毒づいて。

そうやって俺が必死で生きて来たんだから、当然、片割れのあいつだってそういう思いをするはずだろ?

しかも、あいつの方が金銭的に圧倒的に不利だったんだ、俺以上にキツい思いをして、俺の事を羨むはずだ」


絢斗君は、かっこいい。


スッと伸びた手を組んで、


長い足でうろうろと公園を歩きながら話す姿も様になっている。


でも、精一杯かっこつけて悪ぶっているんだろうけど、あたしには泣いている子どもと同じにしか見えない。


その容姿、だけじゃなくて。


本来の優しさをもってすれば、絢斗君が本当に欲しい物は手に入ったんだと思う。


誰かに必要とされる、喜び。


一人じゃないという、安心感。


自分じゃない誰かの幸せを願える、安らぎ。
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