エリート同期のプロポーズ!?
不思議とショックではなくて。


寧ろ、ほっとした。


絢斗君、本当に不器用なんだから。


「絢斗君、あのね、あたし……央が好きなんだ。

だけどね、央はあたしの事は好きじゃないの。

だから、もう、訳のわからない攻撃は、やめて」


言いながら、辛くて。


あたしを置いて走り去る央の姿、あたしには関係ないと困ったように言う央の姿が浮かんできて。


ああ、でも……。


絢斗君も、央も、沙耶香ちゃんが好きなら……


どうなっちゃうんだろう?


結局、沙耶香ちゃんを取り合っていがみ合ってしまうのかな?


たった二人の兄弟なのに?




「……なぁ」


背後から絢斗君に呼ばれ、ぎくっとする。


あたしの、目の前に絢斗君はいるのに……。


恐る恐る振り向くと……


「ひ、央……」
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