エリート同期のプロポーズ!?
母親はご機嫌で、ペラペラと何やら主導権を握って喋っている。


あたしの存在にはまだ気がついていないみたい。


冷蔵庫は、何故かバターが二箱も入っていたりして中々に乱雑で、タルトの箱が入るスペースを確保すべく、中の物を整理していた。


「でねー、そうそう、そうなのよー、うちもよー!!」


母親の電話はかなりの盛り上がりを見せており、大分離れたあたしのところまでよーく聞こえた。


「ね、ほんっとに困っちゃう、うちの娘も」



あ、まただ。


あたしは今まで幾度となくこの話を聞いてきた。


何なら暗唱出来るくらい聞いてきた。
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