エリート同期のプロポーズ!?
「……ひ、央?」


ほんの少し、気がついていない可能性にかけたけど、央の視線の先にはあの女の人の背中があるわけで。


気付いているに決まってる。


「……帰ろっか」


小さめの声で言ってみる。あたし達がこそこそする必要はないのだけど……。


央は、小さく頷いてそっと立ち上がった。


今までぎゃーぎゃーと、ソルベを取り合っていたのが嘘みたい。


出来るだけ、音をたてないように椅子を動かすあたし。


綺麗なガラスの器には、ソルベがまだ少し残っていたけれど。
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