エリート同期のプロポーズ!?
「いやー、別に今夜あたしが行かなくてもさぁ……」


「なんでよー、行ってきなよー、そしたら、李花は絢斗君と結婚してさ、あたしは……っ」


……?


志帆が、しまった、という表情を浮かべている。


「……志帆は?」


「あ、あたしは、泉商事の若手とセッティングしてもらって、お相手探し……という、取引…みたいな……?」


志帆がゴニョゴニョと聞き取りにくいトーンで、話す。


なるほど。


だから、妙に歯切れが悪かったのね。


「それ、なんか騙されてない?」


思わず口にしたあたしを志帆が不思議そうに見る。


「あたし、絢斗君に好かれてるわけないなー」


「だって、好きなんだってよ?」


……それって、言葉ではうまく説明出来ないんだけど。


なんとなくあるよね?相手の好意をほんのり感じる空気と言うか……


絢斗君からあたしへの好意は、あの短時間、微塵も感じなかったんだけど。
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