エリート同期のプロポーズ!?

*****


「なんだかな……」


あたしは、小声で呟いていた。


地上215メートル。


夜景が良く見えるソファー席。


そこで1人で煌めくビルの灯りや遠くに見えるスカイツリーを眺めていると、何だか夜空に放り出されたような気持ちになる。


不安なような、自由なような。




志帆に教えられたお店は、まんまと『夜景の良く見える高層ビルのレストラン』で。


42階、という時点で薄々分かっていたのだけど……。


このムーディーさに、あたしの今日の格好……完全にアウト。


惨めになるから、ざっくりと確認するけど……ごくごく普通の通勤服。


先週買ったペンシルスカート、というのがせめてもの救い。


でも、あたしの低めの身長では着こなせていないのは百も承知……。


ドレスコードとかあるんじゃないの?こういうお店って……。
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