私の師匠は沖田総司です【上】
***
「一君」
「何だ」
3番隊との巡察の帰り。僕は隣を歩く一君に話し掛けた。
「巡察が終わったらさ、僕と稽古をしようよ」
「この後は夕餉だ」
「だったら夕餉の後」
「断る」
「どうせ夜は暇でしょ?」
僕はそっけない反応をする一君向かって、ムッと頬を膨らませた。
一君は僕を一目見るとすぐに目線を逸らした。
「食事の後の激しい運動は体に悪い。夜ぐらい体を休めろ」
「え~、いいじゃん。一君以外に、僕の相手にふさわしい人は居ないんだよ。僕はもっと強くなりたいんだ。だからお願い」
「アンタがどう言おうが、返事は変わらない。休むことも強くなる秘訣だ」
チェッ、一君のケチ!僕はツンと顔を一君とは逆の方向に向けた。
我なりに子供っぽい怒り方だと思うけど、これ以外の怒り方が分からなかった。
すると一君が呆れたような溜息を吐いた。
「焦っているのは天宮のせいか?」
「別に焦ってなんかいないよ」
「嘘をつくな。最近アンタは、ずっとサボっていた朝稽古に行くようになっている。
それに、夜は隠れて稽古をしているだろ」
何で一君がそんなことを知ってるのさ。
もしかして、見られてたの?
うわ、何だか恥ずかしいんだけど。
「一君」
「何だ」
3番隊との巡察の帰り。僕は隣を歩く一君に話し掛けた。
「巡察が終わったらさ、僕と稽古をしようよ」
「この後は夕餉だ」
「だったら夕餉の後」
「断る」
「どうせ夜は暇でしょ?」
僕はそっけない反応をする一君向かって、ムッと頬を膨らませた。
一君は僕を一目見るとすぐに目線を逸らした。
「食事の後の激しい運動は体に悪い。夜ぐらい体を休めろ」
「え~、いいじゃん。一君以外に、僕の相手にふさわしい人は居ないんだよ。僕はもっと強くなりたいんだ。だからお願い」
「アンタがどう言おうが、返事は変わらない。休むことも強くなる秘訣だ」
チェッ、一君のケチ!僕はツンと顔を一君とは逆の方向に向けた。
我なりに子供っぽい怒り方だと思うけど、これ以外の怒り方が分からなかった。
すると一君が呆れたような溜息を吐いた。
「焦っているのは天宮のせいか?」
「別に焦ってなんかいないよ」
「嘘をつくな。最近アンタは、ずっとサボっていた朝稽古に行くようになっている。
それに、夜は隠れて稽古をしているだろ」
何で一君がそんなことを知ってるのさ。
もしかして、見られてたの?
うわ、何だか恥ずかしいんだけど。