私の師匠は沖田総司です【上】
***
屯所から出た私は、10番隊の隊士に気付かれないように後を追っていました。
絶妙な距離を保ちながら後ろを着いて行くのは難しい。
遠すぎたら見失ってしまうし、近過ぎたら気付かれる。
おまけに隊士の人は周りを警戒してか、よく辺りを見回す。その度に家の影に隠れなければなりません。
なかなかスリル満点なゲームですね。
この状況を楽しんでいる自分にちょっと驚きです。
家の影からそっと顔を出す。すると、雲が割れて満月の青い光が辺りを照らしました。
灯を持っていませんでしたから、この月光はありがたいですね。おかげで隊士の姿がハッキリ見えます。
それからしばらく、月の明かりを頼りに隊士の追跡を続けました。
そして、隊士は屯所から少し離れた場所で足を止め、辺りをしきりに見渡し始めました。
さっきまでとは違う様子に、この辺りで何かがあるのだと直感しました。
もう少し近くに行きたい。
そう思った私は、気付かれない様に距離を詰めました。
物陰で身を隠しながら外を覗いてみると、男が一人増えていました。
「それで、約束の物は?」
男が隊士に話し掛けます。それから、隊士は手紙を取り出しました。
「これに新選組内部の情報が書かれている」
隊士の言葉に私は声が出そうになりました。けれど、手で口を押えることにより声が漏れるのを防ぎました。
屯所から出た私は、10番隊の隊士に気付かれないように後を追っていました。
絶妙な距離を保ちながら後ろを着いて行くのは難しい。
遠すぎたら見失ってしまうし、近過ぎたら気付かれる。
おまけに隊士の人は周りを警戒してか、よく辺りを見回す。その度に家の影に隠れなければなりません。
なかなかスリル満点なゲームですね。
この状況を楽しんでいる自分にちょっと驚きです。
家の影からそっと顔を出す。すると、雲が割れて満月の青い光が辺りを照らしました。
灯を持っていませんでしたから、この月光はありがたいですね。おかげで隊士の姿がハッキリ見えます。
それからしばらく、月の明かりを頼りに隊士の追跡を続けました。
そして、隊士は屯所から少し離れた場所で足を止め、辺りをしきりに見渡し始めました。
さっきまでとは違う様子に、この辺りで何かがあるのだと直感しました。
もう少し近くに行きたい。
そう思った私は、気付かれない様に距離を詰めました。
物陰で身を隠しながら外を覗いてみると、男が一人増えていました。
「それで、約束の物は?」
男が隊士に話し掛けます。それから、隊士は手紙を取り出しました。
「これに新選組内部の情報が書かれている」
隊士の言葉に私は声が出そうになりました。けれど、手で口を押えることにより声が漏れるのを防ぎました。