私の師匠は沖田総司です【上】
「それで副長、天宮はどうしますか?」

「そうだなとりあえずアイツが目を覚ましてからだ。対応はそれからだ」

「分かりました」

「総司、斎藤。報告ご苦労だったな。部屋に戻っていいぞ」

「はい」

「……」

総司と二人で副長の部屋を出て襖を閉めた。

すると、さっきまで無言だった総司が息を吸い、そして

「梅の花ー!!!壱輪咲いても、うめはうめー!!!なに当たり前のこと俳句にして詠んでんだ、アホ方ー!!!」

「テメェェェ、総司ぃぃぃぃ!!!」

「春の草ー!!五色までは覚えけりー!!!頑張って後二つ覚えろ、土方コノヤロー!!!」

「うるせぇぇぇ!!!てか、俺の名前を出すなぁぁぁ!!!」

鬼の形相をした副長が部屋から出てくる。すると、総司はすさまじい速さで走り出した。

すぐに総司と副長の姿が見えなくなる。

追いかけっこを始めた二人を見送った後、俺は

「帰るか」

二人を放置して部屋に戻った。
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