私の師匠は沖田総司です【上】
師匠、今日も皆さんお元気です
悪夢を見た。
月明かりが煌々と照らす道で斬り殺した男の夢。
男は血に塗れた体でゆっくり近づいて来ると、口を小さく動かし始める。
最初は聞き取れない……。でも、距離が縮むにつれ少しずつ、少しずつ聞こえてくる。
「おまえが、俺を‥‥‥殺した」
この一言が体の奥から全身へと波の様に広がっていく。
「っあ、ごめんなさい‥‥‥。私、あの時殺すつもりは、無かったの」
「でも、俺は死んだ‥‥‥おまえが殺したんだ。俺には家族がいたのに、仲間もいたのに‥‥‥」
「ごめんなさい!ごめんなさい!許して、ください」
涙を流しながら謝るけど、男の言葉から解放されない。
耳を塞ぐけど、男の言葉が聞こえてくる。頭に直接話し掛けられているようだった。
怨念を含んだ声が、頭の中を反響していく。
気持ち、悪い……。
胃の中を手で引っ掻き回されている感じがして吐きそうだ。
夢だって、分かってるのにどうしてこんなに苦しいの‥‥‥?
「もう許して……お願い……」
しばらく反響する声と吐き気に耐えていると、声がピタリと治まった。
恐る恐る目を開ける。
すると、そこには沢山の骸が転がっていた。
よく見るとそれは、家族や大切な友達、それと時代を越えて出会った人達だった。
この人達を殺したのは私が殺した男。
男は今も私の大切な人たちを殺めていく。
月明かりが煌々と照らす道で斬り殺した男の夢。
男は血に塗れた体でゆっくり近づいて来ると、口を小さく動かし始める。
最初は聞き取れない……。でも、距離が縮むにつれ少しずつ、少しずつ聞こえてくる。
「おまえが、俺を‥‥‥殺した」
この一言が体の奥から全身へと波の様に広がっていく。
「っあ、ごめんなさい‥‥‥。私、あの時殺すつもりは、無かったの」
「でも、俺は死んだ‥‥‥おまえが殺したんだ。俺には家族がいたのに、仲間もいたのに‥‥‥」
「ごめんなさい!ごめんなさい!許して、ください」
涙を流しながら謝るけど、男の言葉から解放されない。
耳を塞ぐけど、男の言葉が聞こえてくる。頭に直接話し掛けられているようだった。
怨念を含んだ声が、頭の中を反響していく。
気持ち、悪い……。
胃の中を手で引っ掻き回されている感じがして吐きそうだ。
夢だって、分かってるのにどうしてこんなに苦しいの‥‥‥?
「もう許して……お願い……」
しばらく反響する声と吐き気に耐えていると、声がピタリと治まった。
恐る恐る目を開ける。
すると、そこには沢山の骸が転がっていた。
よく見るとそれは、家族や大切な友達、それと時代を越えて出会った人達だった。
この人達を殺したのは私が殺した男。
男は今も私の大切な人たちを殺めていく。