私の師匠は沖田総司です【上】
その証拠に、藤堂さんが一番最初にお見舞いに来てくれましたからね。

「ありがとう。すげぇ嬉しいですぜ」

頬をほんのり桃色に染め、照れた様に頬を指で掻く藤堂さん。

そして、そのまま流れる様に私の手に自らの手を重ねました。

「天宮ァ」

「はい?」

「これから困ったことや心配事があったら俺に言いなせェ。俺がおめェを守ってやりまさァ」

「ありがとうございます」

藤堂さんの手に少し力を込められる。

どう反応したらいいか困りますね。何だか告白されたような気分になってしまいます。

不覚にも藤堂さんの言葉と行動に、ドキッとしてしまいました。

「藤堂さん」

「俺のことは平助で構いませんぜ」

「年上の人を呼び捨てになんて絶対にできません!」

すると、藤堂さんが苦笑しました。

「おめェは本当に真面目だよな。……でも、藤堂さんはやめて欲しいですねィ。妹のように思ってる奴からは名前で呼んで欲しいからな」

「それでは平助君で」

「平助君か……」

なにやら不満そうな顔をしていますね。

「まぁ、それで良いでさァ。これからそう呼んで下せェよ、蒼蝶」

あっ、名前。
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