私の師匠は沖田総司です【上】
師匠、時には昔の話をしましょう
龍馬さんから解放されると、私は彼の隣に腰を下ろしました。
でも、右手だけはまだ龍馬さんの手に捕まっています。
どうしてかと尋ねたら、逃げないためにと悪戯めいた顔をしながら言われました。
「今から話すのは普通では信じられないような話です。それでも聞きますか?」
「ああ、聞くよ」
「分かりました。じゃあ、まず、私はこの時代の人間ではありません。今から約150年後の未来から来ました」
開始早々、龍馬さんが大きく目を見開きました。
「未来から?えっと、どうして?」
「角屋で初めて龍馬さんとお会いしたときに言いましたよね。私はある人に頼まれてこの町に来たと。
そのある人がこの時代にいる人なんです」
「でも、蒼蝶は150年後の未来から来たんだろ?この時代の奴が、どうやっておまえに頼んだんだ?まさか、生きてる訳ないよな」
「ええ、そうです。人間が150年も生きられる筈がありません。その人はもうすでに死んでいます」
「じゃあ……」
龍馬さんは薄々気付いているようです。
でも、まだ否定する気持ちがあるようで、戸惑った表情をしていました。
「その人は幽霊なんです。私は幽霊が見えました」
でも、右手だけはまだ龍馬さんの手に捕まっています。
どうしてかと尋ねたら、逃げないためにと悪戯めいた顔をしながら言われました。
「今から話すのは普通では信じられないような話です。それでも聞きますか?」
「ああ、聞くよ」
「分かりました。じゃあ、まず、私はこの時代の人間ではありません。今から約150年後の未来から来ました」
開始早々、龍馬さんが大きく目を見開きました。
「未来から?えっと、どうして?」
「角屋で初めて龍馬さんとお会いしたときに言いましたよね。私はある人に頼まれてこの町に来たと。
そのある人がこの時代にいる人なんです」
「でも、蒼蝶は150年後の未来から来たんだろ?この時代の奴が、どうやっておまえに頼んだんだ?まさか、生きてる訳ないよな」
「ええ、そうです。人間が150年も生きられる筈がありません。その人はもうすでに死んでいます」
「じゃあ……」
龍馬さんは薄々気付いているようです。
でも、まだ否定する気持ちがあるようで、戸惑った表情をしていました。
「その人は幽霊なんです。私は幽霊が見えました」