私の師匠は沖田総司です【上】
「……」

龍馬さんが口を閉ざし、手を額に当てて考えるような仕草をします。

「信じられませんよね」

「まぁ、普通の奴が聞いたら信じないな」

「でも、嘘じゃありません。全て真実です。私はその幽霊さんに頼まれて、幽霊さんの未来を変えるためにこの時代に来たんです」

「そうか」

しばらく無言のまま、私を見ていた龍馬さんが不意に口を開きました。

「おまえとさその幽霊、どんな関係なんだ?」

「え?」

思いがけない言葉に、今度は私が驚く番でした。

「信じてくれたんですか?」

「確かに信じ難い話ではあるが、本当なんだろ?それに、蒼蝶の話を聞いて妙に納得できた」

納得できたとはどういうことでしょうか?

首を傾げていると、龍馬さんが説明してくれました。

「初めて会った時から、蒼蝶は俺たちとは違う感じがしたんだ。この時代の香りがしないと言うか何と言うか……、とにかく違う気がしてた。

だから話を聞いて、ああ、なるほどなと」
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