私の師匠は沖田総司です【上】
***
行灯の淡い光が部屋を照らす中。
俺は窓辺に座り、秋風を感じなが地球儀を指でクルクルと回していた。
木で作られている地球儀は、回る度に時差表示盤の辺りから金属の軋む音がする。
今も四人の男がいる静かな部屋に、その音が小さく響いていた。
「おい」
不機嫌さを隠さない声がした。その声の主は晋作だ。
晋作は壁に寄り掛かりながら、部屋の出口を塞ぐ様にして座るヅラを睨み付けている。
「いつまでそこにいるつもりだ。さっさと消えろ。目障りだ」
「俺がここにいねえと、おまえと龍馬は部屋からいなくなるだろうが。
いつも危険を冒してまで、探しに行く俺のことも考えろ」
「俺じゃなくて、俺たちね」
ヅラの言葉に、稔麿がすかさず訂正する。晋作は二人の様子を一瞥するとフンと鼻を鳴らした。
「俺は別に、探してくれとは一言も言ってねえがな。それよりも俺の行動に指図するな。どこで何をしてようが、俺の勝手だろうが」
「高杉、おまえ危険人物として、幕府に認識されてんの自覚しろよ。下手に町を出歩いて、捕まったらどうするんだ?」
「俺はおまえみたいな腰抜け野郎じゃないんでね。その時はこいつで片っ端から斬ってやるよ」
行灯の淡い光が部屋を照らす中。
俺は窓辺に座り、秋風を感じなが地球儀を指でクルクルと回していた。
木で作られている地球儀は、回る度に時差表示盤の辺りから金属の軋む音がする。
今も四人の男がいる静かな部屋に、その音が小さく響いていた。
「おい」
不機嫌さを隠さない声がした。その声の主は晋作だ。
晋作は壁に寄り掛かりながら、部屋の出口を塞ぐ様にして座るヅラを睨み付けている。
「いつまでそこにいるつもりだ。さっさと消えろ。目障りだ」
「俺がここにいねえと、おまえと龍馬は部屋からいなくなるだろうが。
いつも危険を冒してまで、探しに行く俺のことも考えろ」
「俺じゃなくて、俺たちね」
ヅラの言葉に、稔麿がすかさず訂正する。晋作は二人の様子を一瞥するとフンと鼻を鳴らした。
「俺は別に、探してくれとは一言も言ってねえがな。それよりも俺の行動に指図するな。どこで何をしてようが、俺の勝手だろうが」
「高杉、おまえ危険人物として、幕府に認識されてんの自覚しろよ。下手に町を出歩いて、捕まったらどうするんだ?」
「俺はおまえみたいな腰抜け野郎じゃないんでね。その時はこいつで片っ端から斬ってやるよ」