私の師匠は沖田総司です【上】
師匠、浅葱色の隊服です
この時代で生きる覚悟を決めた日から、数日後のある日の朝方。

私は眠たい目を擦りながら、師匠の刀を持って屯所の裏に行きました。

屯所の裏に行くのは朝稽古の為です。

いつもなら一人で黙々と稽古をするのですが、最近は違いました。

「遅かったな、天宮」

斎藤さんと稽古をするようになっていました。

ある日、朝稽古をしていたら突然斎藤さんがやってきて、一緒にやらせて欲しいと言われたのです。

その日から斎藤さんは毎日私と稽古をするようになりました。

「今日もラジオ体操から始めるのか?」

「そうですね」

「では、さっそく始めよう」

斎藤さんと一列になるように並びます。

そして

「ラジオ体操第一、よーい始め」

私の号令と共にラジオ体操が始まります。

新選組の3番隊組長とラジオ体操……。

すっごく違和感のある光景だと思うのは私だけでしょうか?
< 221 / 472 >

この作品をシェア

pagetop