私の師匠は沖田総司です【上】
「……」

羽織を着たのはいいですが、羽織を着た瞬間皆さん黙ってしまいました。

なぜなら、私の体と羽織のサイズが全く合っていなかったからです。

袖は長い、丈も長い、肩の位置はおかしい。

これはちょっとした着物ですね。

組長が後ろで笑いを堪えてるのが聞こえます。

一方、山南さんたちは私に背を向けて、ヒソヒソと話し合いを行っていますよ。

「ちょっと、土方君！あの大きさで呉服屋に頼んだのは君でしたよね！

あの羽織大き過ぎますよ！やっぱり採寸してから作らせればよかったじゃないですか！」

「少し位なら大丈夫だとは思ったが、あれは酷いな……」

「すまねえ……、あいつが思ったよりチビだった」

チビで悪かったですね。

「どうしますか？もう一着隊服を作りますか？」

「そうだな。あれでは戦闘になった時動きにくいだろうからな」

「私はこれでも良いですよ」

山南さんたちが私を見ました。

「いや、しかし……」

「確かにこれだと動きにくいですが、これを解決するいい考えを思い付きました」

「どうするんだい？」

「ちょっと待ってて下さい」

私は部屋に戻り、箪笥から帯びを取り出しました。

それを持って山南さんたちがいる部屋に戻りました。
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