私の師匠は沖田総司です【上】
私は何の為にこの時代に来たの?
師匠の未来を変えるためにこの時代へ来たんでしょう?
だったらこの一線は絶対に越えてはいけない。
何があっても絶対に越えたらダメ……。
私は伸ばし掛けた手を静かに降ろし、龍馬さんの胸を押した。
「蒼蝶……?」
龍馬さんが悲しげな眼で私を見てくる。
その目に、決心が揺らぎそうになるけど、ここで負けてはいけない。
「龍馬さんはよく、この国を変えたいって言ってましたよね。武力が制さない、誰もが安心して暮らせる国を作りたいって。
本当にこの国を変えたいと思っているなら、私とここで話してる時間ですら勿体ないですよ」
「蒼蝶、俺は……」
「最後まで聞いて下さい。国を変えることは生半可な気持ちじゃできません。でも、多くの人たちが龍馬さんの目指す国を求めていると思います。
私だってその内の一人です。人の命が簡単に散る世の中なんて、なくなる方がいい。
だから、私や多くの人たちが求める国を1分でも、1秒でもいい。早く実現させてください。
私と会う時間を、国を変える為の時間に使って欲しいです。龍馬さんなら、絶対にこの国を変えられるって信じていますから」
龍馬さんは目を伏せ、何かに堪えているように見えました。
何かを言おうと口を開きかけますが、すぐに閉じてしまう。
私はそんな龍馬さんに向かって、微笑みかけました。
師匠の未来を変えるためにこの時代へ来たんでしょう?
だったらこの一線は絶対に越えてはいけない。
何があっても絶対に越えたらダメ……。
私は伸ばし掛けた手を静かに降ろし、龍馬さんの胸を押した。
「蒼蝶……?」
龍馬さんが悲しげな眼で私を見てくる。
その目に、決心が揺らぎそうになるけど、ここで負けてはいけない。
「龍馬さんはよく、この国を変えたいって言ってましたよね。武力が制さない、誰もが安心して暮らせる国を作りたいって。
本当にこの国を変えたいと思っているなら、私とここで話してる時間ですら勿体ないですよ」
「蒼蝶、俺は……」
「最後まで聞いて下さい。国を変えることは生半可な気持ちじゃできません。でも、多くの人たちが龍馬さんの目指す国を求めていると思います。
私だってその内の一人です。人の命が簡単に散る世の中なんて、なくなる方がいい。
だから、私や多くの人たちが求める国を1分でも、1秒でもいい。早く実現させてください。
私と会う時間を、国を変える為の時間に使って欲しいです。龍馬さんなら、絶対にこの国を変えられるって信じていますから」
龍馬さんは目を伏せ、何かに堪えているように見えました。
何かを言おうと口を開きかけますが、すぐに閉じてしまう。
私はそんな龍馬さんに向かって、微笑みかけました。